Ansys Rocky粒子挙動解析ソフト

Ansys Rocky - 離散要素法による粒子挙動解析ソフトウェア

Ansys Rocky

離散要素法(DEM)による粒子挙動解析ソフトウェア - GPU高速計算対応

概要

Ansys Rockyは、離散要素法(DEM:Discrete Element Method)によって粒子の状態や不連続な材料の挙動を考慮して、各種産業プロセスでエンジニアリング面での問題を解決するシミュレーションができ、装置のプロトタイプの検討や設計、開発、生産技術等の面で設備の効率を向上させるためのソフトウェアです。

DEM(離散要素法)の基本原理 粒子間の接触と力 粒子 i 粒子 j 接触点 F_n F_t 重なり δ 接触力モデル • 法線力 F_n: バネ・ダッシュポット • 接線力 F_t: 摩擦・滑り • 粒子運動: ニュートン方程式で計算 • 時間積分: 各粒子の位置・速度更新 多粒子系の挙動解析 重力 流体 DEMシミュレーション • 各粒子を個別に追跡 • 接触検出・力計算・運動更新 • 粉砕・摩耗・凝集を考慮 • 数百万粒子の大規模解析が可能 DEMにより粒子の複雑な挙動を高精度にシミュレーション
離散要素法における粒子間相互作用と多粒子系の解析原理

例えば、セメント、土、食品、錠剤、材料、化学などで用いられる多種多様な粒子(ソリッド、2Dシェル、硬質および軟質ファイバーなど)やサイズ・粒子形状を考慮した複雑な挙動をシミュレートするため、自動車部品・機械・土木・化学・材料などの多くの産業分野にてご利用いただけます。

Rockyで扱える多様な粒子形状 ソリッド粒子 球形 多面体 楕円体 複雑形状 • 質量・体積を正確に計算 • 非球形粒子の回転を考慮 • 多面体による精密な形状 2Dシェル粒子 円盤 板状 多角形シェル 曲面シェル • 薄い板状の粒子を表現 • 紙・フィルム・葉などに適用 • 曲げ変形を考慮可能 ファイバー粒子 硬質ファイバー (木材・金属線) 軟質ファイバー (繊維・毛髪) 繊維ネットワーク 曲げ変形 • 繊維状の粒子を表現 • 柔軟性・曲げ剛性を考慮 • 繊維の絡み合いを解析 実際の粒子形状を正確にモデル化することで高精度なシミュレーションを実現
Rockyで解析可能な多様な粒子タイプ(ソリッド・シェル・ファイバー)

● GPU高速計算対応
GPU(Graphics Processing Unit)を用いた高速計算により、シミュレーションの課題への対応範囲がより広範囲かつ効果的になり、今まで難しいと考えていた粒子を考慮したシミュレーションが効率的に検討できます。

適用産業分野

自動車 機械 土木 化学 材料 食品 医薬 セメント

特徴

非球形の粒子を多面体として精度よく模擬した粒子シミュレーションソフトウェアとして、質量、容積を考慮した最先端の粉砕モデルを含みます。Ansys FluentやAnsys MechanicalなどのAnsys製品との連携も取れており、Workbench上の統合環境にて稼働できます。また、SPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)とDEMの機能による自由表面流れと粒子を考慮した連携解析機能の組み込みや、マルチGPU機能も備えております。

SPH-DEM連成解析のメカニズム SPH(流体粒子法) 流速場 自由表面 SPHの特徴 • 流体を粒子で表現(メッシュレス) • 自由表面流れを容易に扱える • 飛沫・分裂・合体を自然に表現 • 液体・気体の多相流に対応 適用例 波・スプラッシュ・混練・攪拌など SPH-DEM連成 抗力 反力 SPH流体粒子 DEM固体粒子 連成解析の相互作用 ① 流体 → 粒子: 抗力・揚力・浮力 ② 粒子 → 流体: 反力・流れ場の変化 ③ 両者を同時に解いて精密な予測 SPH-DEM連成により流体と粒子の複雑な相互作用を高精度に解析
SPH(流体粒子法)とDEM(離散要素法)の連成解析メカニズム
01
非球形粒子の精密解析
多面体として精度よく模擬し、質量・容積を考慮した最先端の粉砕モデルを搭載
02
Ansys製品連携
Ansys Fluent、Ansys Mechanicalとの連携。Workbench上の統合環境で効率的に稼働
03
SPH-DEM連成解析
自由表面流れと粒子を考慮した連携解析機能を搭載。複雑な流体-粒子相互作用を解析
04
マルチGPU対応
複数のGPUを活用した超高速計算により、大規模シミュレーションを効率的に実行
05
多様な粒子形状
ソリッド、2Dシェル、硬質および軟質ファイバーなど、多種多様な粒子タイプに対応
06
産業応用最適化
装置のプロトタイプ検討、設計、開発、生産技術の面で設備効率を大幅に向上
GPU並列計算による高速化 CPU(従来型) Core 1 Core 2 Core 3 Core 4 • コア数: 少ない(4~16コア) • 各コアは高性能・複雑な処理に適する GPU(高速並列) 数千~数万のCUDAコア • コア数: 多数(数千~数万コア) 計算性能の比較(100万粒子の場合) CPU 100時間 GPU (1台) 15時間 約6倍高速 マルチGPU (4台) 4時間 約25倍高速 GPU計算のメリット ✓ 大規模粒子解析が可能 ✓ 計算時間を大幅短縮 ✓ パラメータスタディが容易 ✓ 設計サイクルの高速化 ✓ コスト効率の向上 GPU並列計算により従来は困難だった大規模粒子シミュレーションを実用的な時間で実行可能
CPU vs GPU の計算性能比較とマルチGPU対応による高速化

関連資料ダウンロード

JKA Social Action 競輪とオートレースの補助事業 ものづくり補助金支援 FEMAP NX ASTEA MACS Ver.12 3次元温度応力解析 MECHANICAL FINDER 有限要素法による骨強度解析ソフト